#412 キャラメル関連本
最近,キャラメルボックス関連の本を2冊続けて読みました。
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神山典士というライターが何ヶ月だか密着して書いたというルポ。作・演出家である成井豊をはじめ,劇団員たちへのインタビューや各公演のパンフレットに載っていた成井さんの小文なんかを元に再構成されてるんですが,内容としてはほぼ"成井豊を語る"みたいな感じになってます。
キャラメルボックスというのは独特の作風があって,それが甘ったるいと感じる人も多いと思うんですけど,その世界をほぼひとりで作り出してる成井豊という人が,誤解を恐れずに言えばこれほどまでにコンプレックスの塊でイヤなヤツだったということが書かれています。で,それはそれでなるほどなーって感じ。たぶんこれでもけっこうソフトになってるんだろうから,役者たちはきっと大変なんだろうねぇ。
演劇がなければ人と関われないとか,過去のイヤな自分に決着をつけるためには書かずにはいられないとか,キャラメルボックスのエンターテインメント&ファンタジーな感じとはえらい差があるコメントが頻出するのが印象的。古いタイプの作家と言うか演劇人的な人なんだなという感じ。劇作者よりも製作者である加藤さんのキャラが,世間的なキャラメルボックスのイメージに強い影響を与えているような気がします。
オレとしては,成井さんのダークサイドと演劇との落差についてもっと掘り下げてみても良いなと思いました。まだまだこんなもんじゃないだろう的な感じ。ホントに痒いところの周りを掻いてるっていうか。ちょっともどかしい。
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こっちは,長年に渡って劇団の中心役者として活躍している西川浩幸の初エッセイ。エッセイ部分,同じ劇団の看板スター上川隆也との対談,演技論の3部構成。
彼のサイトにある日記と同じようなトーンなんだろうなぁと予想していたのですが,まさにその通りでした。短くて力が抜けた文章がサラッと書いてあるのが魅力なんですが,本としてまとまっているのを読んでみると少しパンチが欲しいような気もしました。
この本の中にも成井さんとの微妙な対決シーンが少しだけ出てきます。開演直前に成井さんのダメ出しを食らって初めて芝居を辞めようと思ったとか。ここもサラリと書いてありましたが,実際は結構ヘビーな気持ちだったんではないかと思います。
上川隆也との対談は,まぁ,可もなく不可もない感じではありましたが,上川が「演じているときの自分しか意味がない」みたいなことを言っていたのが印象的でした。
キャラメルボックスという集団はけっこう役者の生の声や姿を露出させる企画が多くて,サイトや公演パンフにもアンケートなんかが頻繁に公開されているのですが,彼はそういうときに本当に寡黙で頑なに自分のことを語ろうとしない,木で鼻をくくったような答えが多いので,どういう心持なんだろう?と思っていたのですよ。その謎が解けました。
演技論は本格的なものではなくて,気構え的なことや呼吸法,役の捉え方なんかをいつもの淡々とした口調で語るというもので「はー,なるほどー!」という感じではなかったですね。自分がお芝居をやる人間ではないからなのかもしれませんが。
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まぁね,2冊とも基本的には劇団・役者のファンしか買わないんだろうけどね。それはそれで構わない。興味ない人に無理にお薦めする類いの本じゃない。
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